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ANTI FASHION CASUALTIES
ANTI FASHION CASUALTIES

ANTI FASHION CASUALTIES

都市生活者の標準装備、
ArkAirのバックボーン

時としてそのブランドは、
現代的なタクティカルギアとみなされる。
またあるときには、ハイプなトピックとして
好事家たちの熱狂にさらされる。

優れた特殊部隊がそうであるように、
ArkAirは全貌が知れ渡るより先に
世界中の人々の記憶にその名を刻んできた。

堅牢でファンクショナルなそのウェアは、
決して多くは語らず
この時代を生きる人たちの日常に潜み、
今も日々の生活とスタイルを支えている。

常にトレンドが更新されて、
質も情報も消費され続けるファッションシーン。
そこでの需要がどれだけ増えても
ArkAirの姿勢は変わらない。

英国発、確かなビジョンとクオリティを堅持する
無二のレーベルのルーツとは。

Photo_Kazumasa Takeuchi(STUH)
Edit & Text_Rui Konno

「Quality of Endurance」という
変わらないコンセプト

ArkAir(アークエアー)がスタートしたのは
2015年と比較的最近のことで、
当初のラインナップは4ポケットのスモックと
カーゴパンツ、ブーニーハットという、
ミリタリーウェアのスタンダードと呼べるもの。

そんな最小限の商品展開ながら、このブランドが
初期から目利きたちの関心を集めるほどに
高品質なプロダクトを生産できたのは母体となる
Arktis(アークティス)という会社に秘密がある。

1985年に設立されたArktisのふたりの創業者は、
元はイギリス軍の特別部隊に所属した兵士だった。

彼らは従軍中に標準的な装備や物資を支給される中で
より高品質な衣服を供給し得る可能性を見出し、
退役後にそのプランは実行に移された。

試行錯誤を重ねながら、英国の標準発行の軍事装備に
代わるクオリティの製品を開発したのちは
実際にイギリス軍へ納入を行うようになり、
事業が拡大するにつれてその供給先は
フランス軍、イギリス海軍、ドイツ軍、
オランダ軍、イギリス警察と増えてゆき、
現在では世界中の様々な国や組織の軍隊や
特殊部隊、救急隊などに自社製品を納めている。

イングランド南西部はデヴォン州の街、
エクスターに構えた自社工場では
工程ごとに分担するライン生産ではなく、
ひとりひとりの職人が全工程の縫製作業を担当する
丸縫いを行なっているが、それも品質の向上を
求め続けた末にたどり着いた形態だ。

Arktisが掲げている不変のテーマは
「Quality of Endurance」、つまり耐久性の質。
紛争地域や戦場で命を預ける装備を生産する以上、
それは何よりも優先されることだったのだ。

ANTI FASHION CASUALTIES

エクスターに構えた自社工場。英国の伝統を感じさせる、
古いレンガづくりの建物だ。

舞台は戦地からストリートへ
ArkAirの誕生

ものづくりを続ける中で、Arktisのプロダクトの
質やデザイン性は軍や部隊だけでなく、
ファッションの世界でも次第に話題となり、
そうして感度の高い洒落者たちからの
プロップスの声が大きくなり続けた結果、
生まれたのがArkAirだ。

まだ設立から数年のこのブランドと
Palace SkateboardsやBarbour、
COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE MAN
など、世界中の有力ブランドとの
コラボレーションが実現したのは、
そうした背景への信頼があったからこそ。

ミルスペックからタウンユースへと変わっても
そのタフさや機能性は健在で、
変わらずメイド・イン・UKを貫いている。

「35年以上の歴史があるArktisの
膨大なアーカイブは、エクスターにある
私のデザインスタジオの隣に保管されています。
ウェアの種類やディテールを確かめに頻繁に訪れ、
今の時代にマッチする機能性や
シンプルでクールだと思える
デザインに変換しています。
ArkAirのウォータープルーフスモックは
BMXに乗るときにも、
スケートボーディングにも、
ハイクにも対応するし、
練兵場を這い回るときには
Arktisのジャケットと同じように機能する。
生地やカラーリング、迷彩のパターンこそ
ファッションマーケットに向けて
アレンジしているけど、
それ以外の仕様はArktisから
何も変えていないんです」

ArkAirのヘッドデザイナーを務める
クリス・トリンビーはそう語る。

ゆとりを持たせることで可動域を確保する
アメリカのミリタリーウェアとは異なり、
テーラリング文化が根付いた英国では
ミリタリーと言えども過剰なルーズさを良しとせず、
無駄な余りの出ない計算されたパターンで
動きの自由度を確保する傾向が強い。

ArkAirにもそうした考え方は息づいていて、
現代の都市事情やファッションの流れを汲んだ
リラックスしたシルエットであっても、
それらのウェアは確かにスマートで
洗練されて見えるはずだ。

ArkAirのブランドフィロソフィーは、
「Terra Incognita(テラ・インカグニタ)」。
ラテン語で「未踏の領域」を意味する。

特殊部隊が市街地やブッシュに
潜伏しながら進攻していくように、
ファッションという未知の世界へと
そのテリトリーを広げていく
このブランドの歩みを表す上で
これ以上に的を射た言葉はそうそう見当たらない。

自分のスタイルを貫いて
日々をタフに生き抜く人たちにとって
最良の装備となることこそが、
黎明期から変わらない
ArkAirの最も重要なミッションなのだ。

PRODUCTS of ArkAir

4 POCKET SMOCK BLACK

BLACK

4 POCKET SMOCK OLIVE

OLIVE

4 POCKET SMOCK COYOTE

COYOTE

4 POCKET SMOCK

SAS(イギリス特殊空挺部隊)でも仕様を微調整して採用されている4ポケットのスモックはArkAirの根幹を成すアイテム。シーズンによってライニングの有無や細部のディテールなどにマイナーチェンジは生じるが、コットンとポリエステルを50%ずつ混紡した厚手でタフなリップストップコットンや、バットウィングスリーブと呼ばれるArktis独自の設計を改良した、脇下にゆとりのある特殊な袖など、変わらない設計で展開されている。

4 POCKET SMOCK

広めにマチを採ったフロントポケットは袋状になってフラップと同化していて、内容物の脱落を防いでくれる。
2層になっていて、
サイドからもアクセスできる仕組み。

4 POCKET SMOCK

特殊なアームの形状により、腕を回転させても裾が動かないのがパターンの最大の特徴。
ほふく前進をしたり、ライフルを構える際の運動性を確保するために考案された。

4 POCKET SMOCK

ヘッドセットの上からでも余裕を持って被れる、大きめのフードは都会的な見栄えの要でもある。
ワイヤー入りで形をキープでき、背面のアジャスターで被りの微調整も可能。

CARGO PANT

CARGO PANT

ウォータープルーフスモック同様、はっ水加工を施したリップストップのコットンポリエステル製。収納力に優れた大きなカーゴポケットが目を引くデザインで、シルエットは腰回りにゆとりがあり、裾にかけてすっきりと狭まっていく現代的なテーパード。特にヒップはゆとりを多めに採っていて、屈んだ姿勢でも窮屈さが無く、疲れにくい。開脚もしやすいのでストレスフリーな歩行ができる。デザインベースは、フランス軍やイギリス軍に納入していたArktisのアーカイブピース。

CARGO PANT

ベンチレーションホールが設けられたカーゴポケット。
容量の豊富さだけでなく、開閉がスムーズなのもポイントだ。

CARGO PANT

フラップ付きのヒップポケットは、やや傾斜のついたデザイン。アクセントにピスネームを配している。

UTILITY SHIRT

UTILITY SHIRT

ミリタリー然としたベルクロ付きの汎用型シャツ。レイヤリングしやすいハーフスリーブタイプで、ラバーコーティングを施したパラシュートボタンが着脱のしやすさと見栄えを向上している。スモック、カーゴパンツと共通のリップストップ素材で、ウェストシェイプの入らないボックス型のシルエットはオーバーサイズで着ても映える。

UTILITY SHIRT

左右にあしらった胸のポケットにはボックスプリーツを設けることで収納力を確保している。

UTILITY SHIRT

裾に軍用規格に準拠したデイジーチェーンを配した背面。シンプルな中に遊び心が覗く。

COMBAT SHORTS

COMBAT SHORTS

レンジャー部隊用のスナイパーパンツをアレンジし、ショーツ化したモデル。長時間うつ伏せで待機したり、座りの姿勢が多い狙撃手のニーズに応えた大小多数のポケットや、ベルクロでフィット感を調整できる幅広のウェストバンドなど、凝ったディテールは夏場の軽装でさらに際立つ。股下に切り替えを配した、180度開脚できる仕様。

COMBAT SHORTS

脱ぎ着が簡単で、動いても緩みにくいベルクロ式のウェスト。ベルトレスでも着用できるのが利点。

COMBAT SHORTS

クイックアクセスが可能な大きめのヒップポケット。
大容量のカーゴポケット、座ったままでも出し入れができるフロントポケットとそれぞれ用途が異なる収納を備えている。