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ArkAirとカモフラージュ、その連関

擬態は、生き抜くための
もっとも原始的な手段のひとつだ。
自然界では1億年以上も前から
そうした術を身につけた生き物が存在し、
その方法は溶け込む環境の数に比例して、
より複雑で多様になった。
世界各国の部隊や軍へ供給されている
装備をルーツに持つ
ArkAirにおいては
独自の迷彩がそれに当たる。
特殊な環境下で潜伏し、
身を隠すためにつくられた様々な柄は
奇しくも日常で個性を主張し、
人目を引くための格好の選択肢となった。
しかし、それらの柄には明確な出自と
生まれた理由があって、
いつだってインスピレーションは、
そうした必然が与えてくれる。
今までもこれからも変わらない、
ArkAirとカモフラージュの蜜月。

Photo_Kazumasa Takeuchi(STUH)
Edit & Text_Rui Konno

タウンユースと軍事で変わる
迷彩柄の視覚効果

本項のはじめに掲載しているジャケットは、
4ポケットスモックと呼ばれるArkAirの定番型。
シーズンによって生地や色柄を変えながら
展開してきたモデルだが、
ここで挙げているのは「ジャパンフォレストカモ」と
呼ばれる迷彩柄を採用した
2020年秋冬コレクションの1着だ。

その名の通り、湿度の高い日本の森を
イメージしたもので、フレクターンカモと呼ばれる
ドイツ軍の迷彩パターンがベースになっている。
日本の自衛隊でも同じくフレクターンカモを
アレンジした柄が採用された例があるが、
ArkAirでは生地にグロス加工を施していて、
光の加減で光沢感が際立ったり、
逆にマットに見えたりと立体的な印象を強めている。

そんなエピソードからも分かる通り、
ArkAirではそれぞれの環境で機能するために
最良の迷彩柄をいつだって探し、そして考案してきた。

これまでに採用したカモフラージュは優に20を超え、
その大半が自社でデザインしたオリジナルパターンだ。

迷彩柄の第一義は決して装飾ではなく
身体の保護や命の危険の回避にある。
それでも、こうしたシリアスな目的で
生まれたパターンは
デイリーなワードローブで
文字通り異彩を放ち、
ファッショニスタたちの
フレッシュな感性を呼びおこす。

擬態のための迷彩が、
個性の象徴にもなり得るという矛盾。

街で生きる人々には、
真品ならではのそんなアイロニーを楽しんでほしい。

Archives of Camouflage

Camouflage TUNDRA

TUNDRA

ツンドラ

年間を通して地面が凍結している寒帯地域で生まれた迷彩柄をArkAirの解釈でアップデートしたもの。形状こそポピュラーなウッドランドカモにも似ているが、短い夏の間だけ永久凍土の地表が融けて低木や草、苔などが生えるツンドラの光景とリンクするこの色彩はやはり固有のもの。現在もフランス軍で採用されていて、寒冷地での任務に就く際にはこの迷彩の装備が着用されている。

Camouflage BRITISH DPM

BRITISH DPM

ブリティッシュDPM

イギリスや元々英国の植民地だったエリアなど、世界中で今日まで採用され続けているこの迷彩のルーツは1940年代にまで遡り、イギリス陸軍や落下傘部隊で用いられたのがその起源。DPMとはDisruptive Pattern Materialの略で、英国の歴史と密接な関係を持つパターンだけに、ArkAirでも設立当初から継続してこの柄のプロダクトは展開している。

Camouflage DP CLOUD

DP CLOUD

DPクラウド

DPとはDispersion、つまり分散を意味していて、大小の六角形の組み合わせは標的とされたときに照準を絞らせにくくする効果がある。主にスナイパー部隊で用いられるカモ柄で、迷彩としては珍しいホワイト基調の配色は雪山で日光が拡散する場面に溶け込めるよう考案されたもの。これとは別に黒を基調としたパターンもあり、そちらは暗闇の中での赤外線照準器への対策を前提としている。どちらもArkAirのオリジナルだ。

Camouflage SHARD RUST

SHARD RUST

シャードラスト

まるで抽象画のような模様と配色だが、これは物質の腐食によって自然に形成されるパターンが基になっている。地球規模で直面している都市環境の崩壊から着想を得たもので、形はガラスや陶器などの破片を想起させ、色合いは緑青や錆のそれと重なる。第一次大戦中に船舶や航空機で使用され、距離感や機体の大きさ、種類を特定されにくくしたダズル迷彩というカモフラージュがアイデアのベース。

Camouflage VERDIGRIS

VERDIGRIS

ヴァーディグリス

英国特殊部隊の冬季任務用にArkAirがデザインしたエクスクルーシブパターン。主として都市部での使用を想定したもので、ハニカム状の柄はレンガや瓦礫に紛れ込むのに適している。輪郭をあえてぼやけたものにしているのは敵が照準を絞ることを困難にし、周囲の光景との境界を曖昧にして溶け込みやすくするという意図の下。