【プレディ】リネン生地の特性について

生地の表面上のネップに関して

リネンは亜麻の茎の中心部分から作られる繊維であり、獣毛繊維(ウール素材など)と比較して非常にバルキーで太く、表面も不均一な事から出来上がる糸の太さも不均一になります。不均一な事から、織り上がりの生地では表面上に小さな繊維の節が現れ、これをネップと呼んでいます。

織る前の糸の太さが繊維の特性上不均一な事から生じる現象で、生地の場合はこれらネップを生地の裏側へ押し出す処理が行われますがストールの場合、表裏がない為、処理ができません。

濃色単一色で表現されている部分は目立ちにくいですが、写真のように色が交差する部分(写真ですとブラウン×生成り)のようにコントラストが強い部分で特に目立ちます。

糸の太さを均一にすることが繊維の特性上難しい事から、麻糸は完成しても実際織れない(糸が太すぎたり細すぎたり同一糸の中で不均一すぎる。または糸が弱く切れる)こともありこのような現象が起きます。

このネップはリネン糸特有の特徴であること、御理解をお願い致します。

*(Plaidie商品全般)

(参考写真1.繊維自体のネップ)

 

生地の表面上に残る茎の一部に関して

通常繊維として糸に使う茎の中心部分以外は糸を生産する工程で除去されますが、一部の繊維にはその除去される部分が付着し、そのまま製品化されてしまうものも見受けられます。

ウールなど獣毛の糸にも同じような繊維(牧草、雑草等)混入する事がありますが原毛から糸を作る段階、また生地が織り上がった段階で溶剤、および手作業で除去が可能です。これはウールが獣毛繊維であることに対して、混入している繊維が植物性繊維だからです。

それら二つは分離しやすい為、除去する事が可能となります。

対してリネンの場合、付着しうる部分は繊維となるべき中心部分の表皮に近い部分です。二つの部分(繊維の中心部分と表皮部分)は本来茎を形成している同一繊維の為、除去する事が非常に難しいです。付着力が強い場合、除去したい部分と繊維本体(糸)の部分が同時に引っ張られ、穴の開いてしまうケースも想定されます。

これらの現象はホワイト、生成りの無染色(染料で染めない色目)に見られる現象です。(色物は染めた段階で付着物も同一色に染まってしまうため。)

写真2にもありますように、このような23センチ長の物が23箇所出るケースもあると

想定されます。無染色は余分な染料を使わないことから環境には一番優しい製造方法と言えます。従い、これもリネン繊維の特徴としてご理解いただけますようよろしくお願い致します。

*(ホワイト、生成りを使用した品番が該当します。)

(参考写真2.繊維表皮のネップ)